【新】レンタルフレンド～お友達をお貸しします～

由紀恵の目を見ると、小夜子は口を開いた。

「求人情報で貴社の募集記事を見かけた後にホームページを見ました。

社風もとてもよくて、アットホームな感じがしました」

「なるほど」

小夜子の答えに、由紀恵は首を縦に振ってうなずいた。

「職歴を見ると、光浦さんは以前の会社をわずか半年で退職されたそうなのですが…何か理由があって退職されたのですか？」

（きた）

面接を受けると必ず聞かれる質問だ。

いつもはすぐに答えられないままで終わるが、今日は違う。

連絡があったおとといの夜からそれに対する答えを考えたので準備は万端だ。

「えっと、上司からパワハラを受けまして…」

小夜子は由紀恵の目を見ながら質問に答えた。

「パワハラ、ですか？」

「それに応えるために頑張って仕事をしていたんですけれども、次第にそれに耐えることができなくて…その結果、躰を壊したので退職をしました」

答え終えた小夜子の心臓はドキドキと早鐘を打っていた。