【新】レンタルフレンド～お友達をお貸しします～

「ひどい…」

（何てことを言うのよ！）

小夜子は怒りのあまり叫び出しそうになったが、どうにかして冷静を保った。

「それが嫌ならお前も一緒になって望月をいじめろって、水野はあたしを脅してきました。

あたし、綾美がいじめられるのも嫌で…でも自分が綾美の立場になるのも嫌で、それで…」

「望月さんを裏切ることを選んで、水野側についていじめた…と言うことですね？」

小夜子がそう聞いたら、みち子は両手で顔をおおって泣き出した。

「綾美には…綾美には、本当に申し訳ないことをしたと今でも思っています…。

綾美の代わりになればよかったって、今でも思っています…。

でも、でも、でも…あの時は明日から自分がいじめられるのが嫌で…」

みち子はグスグスと、声をあげて泣いた。

「中学３年生になって水野とクラスが離れてホッとしたんですけれど、彼女と取り巻きたちの視線が怖くて綾美に声をかけることができませんでした。

幸いにも水野と取り巻きたちと進学する高校が違ったので、高校に入学したその日に綾美に中学時代のことを謝るために家を訪ねました」

みち子の話に小夜子は耳を傾けていた。