『龍もテニス部に入るの?』

高校に入学してから、1週間が経った頃、廊下を歩いているといきなり背後から話しかけられた。

「......え?」

振り返ると、見覚えのない女子生徒がいた。校章の色からして、同じ一年生だろう。俺は、まじまじとその女子生徒を見た。

「もしかして、お前...」


『...3年ぶりだね。龍』

俺は、彼女の口ぶりで理解した。こいつは、俺の幼なじみだということを。