数秒前に見た光景が夢のようならば……
あの店にいるお前を見た時も夢のように感じた。
今日の俺は夢の世界にいるんだろうか?
明日にはすべて消えてなくなってしまえばいい。
そう願ってしまうほど、衝撃を受けた俺はやっぱりお前のことをわかっていないのかもしれないな。
アスファルトの地面を見つめても、真っ黒な空を見上げても、お前の姿ばかりを思い浮かべてしまう。
煙を吐き出すのと同時に深く息を吐き出すと、右腕をクッと後ろに引っ張られた。
昔、体に染み付いたことってのはとれないもので、反射的に掴んできた手を掴み捻りあけだ。
「痛てぇ~」
気の抜けるような声と共に男が目の前に現れる。


