そして、お店のロッカーには入りきらない古いドレスを浅葱はあたしのほうへと投げつけた。


「それ、着てくれる?」



何だか、よくわからないけどドレスを身に纏うあたし。


その間に、浅葱は鞄から何かを取り出している。


「浅葱さん……?」


急に不安が押し寄せてきたあたしの目に飛び込んできたものはカメラだった。



「撮ってもいい?変な事には使わないから。このカメラもゆめかちゃんに預ける。だから、撮らせてくれないかな?」


眉を垂らしながらも、呼吸の荒くなる浅葱。


どういうことなのだろう?


撮影したカメラをあたしに預けるという事は、浅葱は現像すら出来ないのに……


「僕を信じて……」


そう言いながら、今度は唇を重ねてくる浅葱にあたしの頭の中は再び空っぽになってしまう。


優しく丁寧に触られた体は段々と熱を帯び、浅葱を求める体が浅葱を愛しているんじゃないかと錯覚してしまう。


ベッドに寝かされたあたしはカシャカシャと何枚も写真を取られている。


写真を撮りながらあたしに触れる浅葱はそれ以上のことはしてこない。