浅葱は言葉通り、閉店ギリギリまで側にいてくれた。
落ち込むあたしを励ますかのように、優しく手を握っていてくれる。
照明が落とされる時間帯も手を握ったまま抱きしめてくれるだけ。
目を閉じると豊の姿ばかり浮んでくるあたしは金づるとしか思っていないこの男に救われた。
すべての客のお見送りが終わると女の子達は更衣室へと入ってゆく。
あたしもそれに続き、着替えを済ませた。
今日はどうしてもシャワーを浴びたい気分ではない。
きっと浅葱に必要以上に触れられていないせいだろう……―
こんな日は飲みに行きたい。
アルコールが欲しいわけではなく、あのだだっ広い部屋の中に一人ぼっちでいることを想像すると寂しさが込み上げてきてどうしようもなかった。
自分で自分の体を抱きしめるように、仕事場を後にした。


