「よしっ。完璧。カナ!空(ソラ)!いいぞ。」


お花を供え、線香に火を灯してくれた翔があたし達を呼ぶ。


「空。行くよ。」


あたしが差し出した手をギュッと握り締める、可愛い我が子、空……


翔、秀、明美、チータが温かく見守ってくれる中、あたしはしゃがみ込み手を合わせた。



同じ過ちを繰り返してしまった3年前……


静香の死によって、あたしは沢山のことを学んだはずだった。


こうして“今”という時を共に刻めるのは当たり前のことなんかじゃない。


だから、伝えたいことは後回しにせずに伝えるべきなんだと……


身を持って経験していたはずなのに、あたしは大切な人が側にいてくれることを、また当たり前だと思ってしまっていた。


永遠に豊はあたしの側にいてくれると安心しきっていたんだ。


3年前のあの日、秀からの連絡を受けるまでは……