まだ、ここに命が宿ったという実感があるわけではない。


不安がすべて拭い去れたわけでもない。


でも、もう逃げないからね。


豊に「大丈夫」と言ってもらい、あたしも「大丈夫」と笑えるように……


あたしはもう逃げないから。


ネオン街を抜けると、吸い込まれてしまいそうなほどの群青色の空が広がっている。


この空に誓う。


あたしが「こんな世界だけど、いいもんだ。」と思わせてあげるから。