秀に会うと言って、出かけた豊が帰って来てから数日がたった。


本当に豊が帰ってきた。


あたしは玄関を開けた豊の顔を見て、そう確信した。


あたしの会いたかった豊が、やっとあたしの元へと帰ってきてくれた。


それは一時的なものなのかもしれないと思っていたけれど、そうではなさそうだ。


数日たった今でも豊はあたしの会いたかった豊のまま……


だからかな。


あたしはこのお腹の中に宿った命のことを言えずにいた。


このことを告げて、もしも豊が再び光を失ってしまったら……


その瞳に何も映さなくなってしまったら……


そう思うと怖かった。