「どうして……」


トイレから出たあたしはソファーに腰掛け、この現実を受け止めきれないでいた。


そして、一言目に出た言葉が“どうして”だった。


どうして?って、それはする事をしたからだろう。


そんなことをした心当たりは嫌ってほどあるわけだし……


でも、この時の“どうして”はその“どうして”ではなく、何故今なのかってこと……


何故、このタイミングで……


あたしの元にやってきたの?


なんとか冷静にならなきゃいけないと思ったあたしは、部屋の中を歩き回った。


その行動に意味なんてないし、冷静になれるかもわからないけど、体を動かしていなければこの部屋の中にいることさえままならないほど、あたしの精神状態は普通じゃなかった。