「あれ?みんなは?」


朝方まで、足の踏み場すらなかった部屋は片付いていて、まるで昨日のことが夢だったみたいに静まり返っている室内。


「今、何時だと思ってる?」


まだぼやける視界の中、時計に目をやると……


「まだ9時じゃねぇかよ。」


明るくなってから、布団に入ったから、きっと少ししか寝ていない。


その間にみんな帰っちまったのか……


騒いでいた分、静けさが妙に寂しく感じてしまう。


「窓の外見てみろ。」


「なんでわざわざ。それより何か食いたい。」


「いいから座る前に見てみろ。」


理不尽に睨み付けられたあたしは、渋々カーテンを開き、窓の外を見た。


真っ暗か……


えっ?


「えーーー!」


「うるせぇな。」


「夜の9時かよ?」


「あぁ。」


あたし、そんなに寝てた?


「なんで起こしてくれなかった?」


「何度も起こした。」



驚きのあまり、スッキリとする頭。


何度も起こしたのに、起きないあたしに苛ついて、あたしを蹴飛ばしたわけね……


すべてのつじつまがあったあたしは大人しくソファーに腰を降ろした。