time~元暴走族豊×キャバ嬢カナ~


それから、あたし達は窓の外が明るくなるまで騒ぎ続けた。


離れていた年月など、あたし達には関係のないこと。


そう思ってしまうほどに、みんなの笑顔が溢れかえる。


ここに……

静香がいてくれたらなら……


みんなの笑顔を見ていると、ふとそんな思いが沸き上がってきた。


けれど、その度に手を握り締めてくれる豊がいたから悲しくはなかった。


“大丈夫”

“みんな同じだ”


そう言われているような、豊の温もり。


きっと、この場で静香を思い出しているのはあたしだけじゃない。


見えてるか?


あんたがかけてしまったけど、やっとこうして笑い合うことが出来た。


もっと早くに気付いていれば良かったのかもな。


静香。


あたし達が集まるたびに、みんなの心には確かにあんたが存在する。


だから、もう淋しくないよな。