「それではみなさんショータイムの始まりです」



ボーイのアナウンスがかかると、ステージの照明は一気に落とされる。



「ゆめか。おいで」



この時間だけ、あたしを呼び捨てにするのは浅葱なりの独占欲なのだろうか。



あたしは何の戸惑いもなく、浅葱の膝の上へと跨った。



「このドレス。やっぱりゆめかにはよく似合う」



キャミソールの紐をずらしながら、浅葱はあたしの胸に顔を埋めた。



そうここは、お触りありのキャバクラだ。



交渉次第ではなんでもありなんて言われているお店。



あたしは丁度一年前、この店の門をくぐった。



小さなスナックで働いていたあたしの耳に沢山札束が手に入ると……



吹き込んだ男がいた。



そいつは今、あたしの体を貪っているこの男。



あたしはすぐさまスナックをやめ、この店の面接を受けた。