俺の腕枕で涎なんか垂らして寝ているお前が可愛く見える俺は、少し可笑しくなったのかもしれない。


でも、可笑しくなったとしても、そんなことはもうどうでもいい。


お前が今ここにいる。


ただ、それだけでいい。


秀からの連絡がなければ、俺達はどうなっていたんだろうな?


きっと……


考えるのはやめよう。


もし、きっと、たぶん……そんなことを考えたってキリがない。


泣いたせいか、目蓋のあたりが少し腫れているお前の目をそっとなぞった。


「もう、いなくなるんじゃねぇぞ。」


聞こえてるはずのないお前に、柄にもなく話し掛けてる自分に笑えてくる。


お前の温もりがある嬉しさを噛み締めながら、ゆっくりと目を閉じたその時……。


ガチャン


ドタドタ


玄関が開き、誰が歩く音が聞こえる。