「豊はいいのかよ?」


「あっ?何がだよ?」



いつの間にか食べきれないほどの料理が目の前に並んでいた。


俺は枝豆に手を伸ばしながら、翔の言葉を待つ。


「……言っていいのか、わかんないけどよ…」


今までとは違う翔の態度に俺は何を話したいのかすぐにわかってしまう。


翔との付き合いが長いからわかってしまうってわけではない。


3年間避け続けてきた話題だから…


俺達の暗黙のルールになっていたことだから…


すぐにわかってしまうんだ。


「別に言えばいいだろ?」


強がりだろうか?


聞きたくない

話したくない

…と思いながら、いつも翔が話を切り出してくれるのを待っていた気がする。


「もう忘れたのか?カナちんのこと……」