来客用の駐車スペースがあるって浅葱が言っていたような気がして、あたしは車を降りた。
「ちょっとここで待ってて。」
「おい。大丈夫なのか?」
宗は窓を開け、まだ足元がふら付くあたしを気遣ってくれる。
本当に宗はあの頃の宗に戻ってくれたんだね。
あたしは笑顔で宗に「大丈夫」と告げ、辺りをウロウロとした。
1階部分のすべてが駐車場になっているこのマンション。
コンクリートの地面に書かれている数字はきっと部屋番号だから……
あった。
地面に“来”と書かれたスペースが2つ。
きっと、ここに止めていいんだな。
あたしは「こっち!!」と手をあげながら叫んだ。
すると、ゆっくりと宗の車があたしの元へと近づいてくる。
この車に体当たりしたら死ねるかな?
死ねたとしてもこのスピードじゃ、きっと痛みを感じるだろうけど…――


