人はどんな事にでも慣れてゆく
苦痛に感じていた事も
一人の寂しさも



慣れてゆく過程には
自分を洗脳するように
囁く呪文があった



これでいい
これがいい
こうしたい
こうするべきだ



でも……
ふとしたときに
気付いてしまう
それが求めているものではないと



ふとした一言で
気付かされてしまう
それが苦痛に感じていることを



自分自身に
囚われた心は
いつだって
悲鳴を上げていたのに…――