time~元暴走族豊×キャバ嬢カナ~

浅葱が出て行った部屋の中は静まり返っている。


前よりも広い室内は、あたしに孤独を感じさせる。



明美にここの住所をメールで送り、ソファーに寝転がった。



するとすぐに着信音が鳴りだした。



「偶然!!今近くにいるから外まで迎えに来て」



「はっ?」



「は、じゃないから。わかった?外まで出てきてよ」



プープープー



一方的な明美の電話にガックリと肩を落としたあたしは仕方なく、マンションの外へと出た。



すると、数メートル先に辺りをキョロキョロと見回す明美の姿が…――



「明美!!」


片手を挙げ、大きめの声で明美の名を呼ぶと、明美は勢いよくあたしのほうへと振り返り、駆け寄ってきた。