そんなあたしの気持ちを察してくれたはずはないけれど……
いいタイミングで明美からメールが届いた。
真新しい部屋に鳴り響くピッチの音。
“イマカライク”
相変わらずな明美に頬が緩んでしまう。
あたしもいつものようにメールを返さずにいようと思ったけど…――
あたし、引越ししたんだった。
慌てて明美に電話をかけた。
「もしもし。あたし引っ越した。」
「え~~なんで知らせないわけ?」
「急だったから。」
「じゃあ新居に行くから住所教えて。」
「引っ越したばかりで忙しいんだ。」
「いいから。教えてよ!!」
明美は電話の向こうで駄々をこね始める。


