「浅葱さん。いつもありがとう」
店の開店と同時に指名をしてくれる浅葱。
あたしがどんな状態であろうとも、通い続けてくれる浅葱には感謝してもしたりないほどだ。
この男がいなければ、あたしの決意は夢の中の話で終わっていたかもしれない。
「最近、何かあった?僕でよければ話を聞くよ」
あたし達の関係はあんなことがあったにも関わらず、何も変わっていなかった。
ゆめかを演じるあたしに会うために足を運んでくれる浅葱。
それ以上は望まない。
そんなふうにお互いを知らないまま、安らぎの時間を過ごしていた関係をぶち壊したのはあたしだった。
「浅葱さんといると本当に楽」
あたしは浅葱の肩に頭を乗せた。
腕を絡めて、体も密着させる。
「甘えん坊なゆめかちゃんは珍しいな」
そう言って頭を撫でてくれる浅葱にあたしは望んでしまったんだ。
もっともっと楽になりたいと…――


