私は亜嵐くんを連れて実家に帰った。

「ただいまー」

「紗奈ねぇだ！」

私の家は父子家庭。4年前にお母さんが亡くなって、それからはお父さんと私と弟の望（のぞむ）と星（せい）、妹の睦（むつみ）と愛（なる）の6人で暮らしてきた。

けど、家の中に見覚えのない男子が一人いた。

「紗奈、肩貸せよ」

「うん。お父さん、この人誰？」

「あー。先月からうちに住んでる渉（しょう）くんだ」

「は？知らんし。何で、私に言ってくれなかったの！？」

「ごめん。これは仕方なかったんだ」