「…おめぇは観客を巻き込んだりはしねぇよ」

斉天大聖が呟く。

「おめぇは自分で言うほど、悪ィ奴じゃねぇ。本当に悪ィ奴なら、俺が本気でぶっ倒してるさ」

「…まるで倒せるのに倒さなかったみたいな口ぶりだな」

ウラヌスの額に浮かぶ青筋。

「そうまで言うなら撃ってやろうか!貴様もそこらの観客どもも、皆纏めて皆殺しにしてやる!」

「まぁそう言うなよ」

斉天大聖はフワリと空中に浮き上がった。

「ほら、これなら観客を巻き込まずに撃てるだろ」

「嘗めやがってぇえぇぇ…!」

ウラヌスは両手を斉天大聖の方に向けた。

「消し飛ばしてやるっっっっっっっ!」

集束完了と同時に発射される、超極大閃光波!

観客の誰もが、目が眩んで見ていられないほどの閃光が照らし出される!

如何に斉天大聖でも、この一撃を食らえば只では済まない。

腕の1本や2本は失ってしまうだろう。

だから。

「!?」

ウラヌスの動体視力は、見逃さなかった。

超極大閃光波が直撃する瞬間、斉天大聖は姿を消したのだ。