「拍子抜けだぜ。もう少し骨のある奴だと思ったんだがな」

ウラヌスは舌打ちする。

「……」

無言のまま、ゆっくりと立ち上がる影月。

亀裂は更に大きくなり、装甲表面がポロポロと崩れ落ちている。

その内側に。

「…?」

黄金色の肌のようなものが見えるのに、ウラヌスは気付いた。

どんどん剥がれ落ちていく装甲。

やがて装甲は完全になくなり、影月の内部が露わになる。

つり上がった目に、鼻の穴と小さな口、金色の体。

金色の尻尾が、鞭のように撓って地面を叩いた。

「お、お前は…!」

驚愕するウラヌス。

「…久し振りだな、ウラヌス」

影月…いや、影月の装甲の中にいた異星人は言った。

第44銀河の統括者、ヴァネッサ。

嘗て斉天大聖やウラヌスと死闘を演じ、倒された筈の強敵は、生きていたのだ。