大会スタッフによって転移された斉天大聖とユアフ。

場所は、砂塵吹き荒ぶ大峡谷。

切り立った断崖が至る所に形成されている。

こんな険しい地形では、人間は勿論動物さえいない。

相当標高の高い場所のようだ。

それに。

「何だか体が重てぇ…重力も他所の惑星よりあるみてぇだな…こんなとこじゃ、戦ってるだけで体が鍛えられそうだ」

軽く跳躍して、感覚を確かめる斉天大聖。

「なぁ、おめぇもそう思うだろ?」

彼は対戦相手のユアフに呼び掛ける。

ピンク色の肌と1本の長い触角を持つ戦士。

上半身は裸、小柄で、意味もなく笑みを浮かべている。

「何かヘラヘラしてて、おかしな奴だなオメェ」

言いながら、斉天大聖は構えた。

「ま、いっか。お互い全力で楽しんで力比べしようぜ」