「このくらいにしとくか」

力を抜く青年。

オーラが収まると、周囲の自然環境も落ち着きを取り戻した。

たった1人の人間が、自然災害を引き起こすほどの力を持つ。

1つの銀河で頂点を極めるほどの戦士ともなれば、それも可能だった。

彼の名は斉天大聖(せいてんたいせい)。

本当の名は捨てた。

余りにも強くなりすぎて知られ過ぎてしまい、本名を名乗っては動きづらくなってしまったのだ。

彼は第7銀河系の惑星に住むドラン人という種族である。

罪もない惑星の人々を襲撃して、住む場所を取り上げて、抵抗すれば皆殺しにする。

そんな生業をしていた種族の末裔。

それに嫌気がさし、斉天大聖は母星の滅亡を機に、地球という星に移住して修行の日々を送り、紆余曲折を経て再び宇宙へと武者修行の旅に出た。

ただ純粋に、己の強さを追求する為に。