無言のまま、対峙するユピテルと影月。

乾いた風が、砂埃を孕んで吹き抜ける。

直後。

「せあっ!」

気合の声と共に、ユピテルは飛び出した!

一足飛びに間合いを詰め、鋭い肘打ち!

それを僅かに首を動かして回避する影月。

それを皮切りに、両者は激しい打ち合いを演じる。

メタリックシルバーの装甲という鈍重そうな外見ながら、影月はユピテルに勝るとも劣らないスピードで攻撃を繰り出してくる。

回避の動きも素早い。

まるで熟練した戦士のような動きだった。