2人が移動した先は、無数の廃墟が立ち並ぶ惑星だった。

生命体が存在しないというよりは、住人が放棄した惑星のようだ。

大災害でもあったのか、或いはこの惑星で戦争や紛争の類があったのか。

無人となった今となっては、定かではない。

「俺に…」

影月が、ふと喋り始めた。

「俺に似合いの舞台だ」

「ほぅ、喋れたんだな。言葉が理解できていないのかと思ってたぜ」

皮肉を言うユピテル。

影月は黙って向き直り、直立不動のまま。

「このままお見合いってのも退屈でつまらん」

ユピテルは腰を低く落とし、構えをとった。

「さっさと始めよう。まどろっこしいのは性に合わん」