「へぇ」

ゆっくりと立ち上がったゼロは、口元を親指で拭う。

「地獄星人や氷結星人あたりを倒した時は、この技1発で決着がついたんだがな…なかなかやるじゃねぇか」

「跳び蹴り1発で、このウラヌス様がやられると思ったか。過小評価しやがって。頭に来るぜ」

額に青筋を浮かべるウラヌス。

その全身から。

「はぁっ!」

黄金のオーラが噴き出す!

「面白ぇっ!」

ゼロの全身からも、白銀のオーラが立ち昇った!

「宇宙警備隊にも骨のある奴がいるってとこ、見せてやるぜ!」

突進する両者。

衝突と同時に衝撃波が発生、氷の大地に無数の亀裂を走らせ、岩盤が捲れ上がった。

それを意にも介さず。

「「ぉぉおぉぉおぉぉおぉぉぉっ!」」

2人は激しい拳の応酬をする。

目では捉え切れないほどの、高速の打ち合い。

互いに互いの拳を捌き、防ぎ、躱し、己の拳を当てようとする。

広い宇宙でも、そうはお目にかかれないハイレベルの攻防だった。