「そう急かさないで下さい」

苦笑いするメミガ。

「幸運にも、ウラヌスさんは第1試合のようですよ。これから大会スタッフが、ウラヌスさんと対戦相手の方を、試合場の惑星へと転移させます」

スタッフらしいグレイタイプの異星人が歩み寄ってきて、ウラヌスを転移させる。

一瞬の間。

気が付くと、ウラヌスは広大な氷の大地の真ん中に立っていた。

吹き荒ぶ吹雪。

どうやら極寒の惑星らしい。

厳しい自然環境の為か、生命体は皆無だ。

「ここが試合の舞台か。で、俺の相手は何処だ?」

腕組みしたまま視線を走らせるウラヌスに。

「何処を見ている」

声が聞こえた。

「お前の相手はここだ」

…目の前の氷山の天辺。

1人の異星人が立っていた。

体色は上半身が青で下半身が赤、目付きが鋭い。

子供がテレビで見る、宇宙怪獣と戦う巨大変身ヒーローのような外見のグレイタイプの異星人だ。

「俺の名はゼロ。第78銀河系の戦士だ」