「ちょ、ちょっと!やめなよ2人ともっ都波も落ち着いて!、ねっ」
「ほらっツルギも!」
女の子が2人をなだめようとしているけれど、都波とツルギって人は揉み合っているみたい。
ガタガタと机同士がぶつかる音を耳にしてそう思った。
ばかみたい。なに熱くなってんの。ばかじゃん。
私のこと庇ったつもりなんだろうけど、ありがた迷惑。あんなの言わせておけばいいんだよ。
そしたら、こんな友だち同士で喧嘩なんてしないのに。
「園田さん……だよね?」
突然背後からかけられた声にビクッと反応して、後ろを振り向く。
そこには黒縁メガネをかけた長身の男子がいた。名前は糸口真守。
一通り私の席の近くにいる人の名前は把握していて、彼は私の隣の席だ。
スクバから教科書を取り出すときによく視界に入る彼はいつも静かに本を読んでいる。
長い脚を組んで、たまに都波からちょっかい出されて軽くあしらっているイメージがある。
話し声なんてあまり耳にしない。
そんな彼が一体私になんの用で声をかけてきたのだろう。



