叫べ、叫べ、大きく叫べ!


「ここからの景色ってなんも無いけどさ、あんま変なこと考えるなよ」


そう言って立ち上がった彼は私にちょいちょいと手招きした。


不思議に思いながら梯子を登りきって上がると、「じゃ」と軽く手を上げて今度は彼が梯子を降りていった。


あ、なんだ。『退いて』の手招きか。


なんて心で呟き、彼の後ろ姿を見送った。


ふとスカートのポケットからスマホを取り出して時間を確認した。


まだ予鈴まで時間があることに胸を撫で下ろす。


コンクリート縁ギリギリに座った私は足を空に投げ出して、購買で買ってきたクリームパンを開けた。


遠くの景色を見ながらさっきのやり取りを思い出す。


急に話題を投げられた感じからしてあの『飽きた』はきっと私を待っていた意味の『あ、来た』だったのだろうと今になって理解した。


それにしても、なんで私を待っていたんだろう。


あれを言うためだけに?わざわざ?


変なのと思うと同時に最後のひと口を口の中に放り込む。
それからカフェオレを口に含んだ。


寝転ぶとヒンヤリしたコンクリート面が気持ちいい。


そのまま寝てしまいそうになるけれど、ちょうど雲から顔を覗かせた太陽によって遮られてしまう。



「あー」


なんて声に出すと、朝の電話を思い出して深く息をついた。