──ヴヴー
手に持っているスマホが震えた。
そこに表示された名前を見て、反射的に後ろを振り返った。
その笑顔を見て“やってくれたな”と顔をしかめた。
表示されたメッセージを押すと画面が切り替わってトークルームが現れる。
そこには可愛らしい有名なキャラクターが喜んでいるスタンプが1つ。
思わず、かわいいなんて思ってしまった。
すると、直ぐに【びっくりした?笑】と送られてきた。
取り戻した時点で何か弄っていないかとマルチタスクで履歴を確認してほっとした私が馬鹿だった。
【なに勝手にしてんの】
【だってなかなか登録してくんないじゃん だから先手必勝( ^罒^ )v】
【なにそれ 勝手に弄るとか最低なんですけど】
【それはごめん でも俺は嬉しい こんな手使って悪いけど夏澄ちゃんと繋がることができて、俺は嬉しいよ】
……ばかじゃん。なに 嬉しいって。
でもこの文面からは素直さが溢れているみたいで、なんだかくすぐったい。
『嬉しい』だなんて私に対して使う言葉じゃないよ。
【私には迷惑です それに嬉しいって使い方間違ってるよ 私と話したって絶対面白くないし】
ほんと、交換したところで意味ないよ。
話なんて長く続かないんだから。面白いことも言えないし、私と話すことになんのメリットもない。
そう、彼がしつこく聞いてくる度に私はそう言って返すけど。
彼もなかなかしぶといようで。直ぐに返信がくる。



