叫べ、叫べ、大きく叫べ!


「ちょっと!なにすんの!?」


久しく声を荒らげた私にニヤリと笑みを向ける彼はとても楽しそうで。


私のスマホを勝手に弄りながら同時に彼も自分のスマホを操作している。


“器用だな”なんて思いながら、すっかり距離をとった彼に私から近づく。


こんなことまでしてスマホを取り返す必要なんてないけれど、大したアプリとかなんて無いし、けれど体は勝手に近付いていた。



「ねえ、ちょっと返して」

「ちょっと待って〜」

「何してん、のっ」


背伸びしても届かないくらい高く上がってしまった私のスマホ。
それを器用に2つとも操作している。しかも移動しながら。


てかあんた身長高すぎじゃない!?どんな生活してたらそんな高くなるの!?


いや、いまはそんな事よりもスマホ!


操作しながら時折チラチラとこちらを見てくる彼の嬉しそうな笑顔にムカつきながらも、ついて行く私はなんだか立場が逆転したみたい。


やっとスマホを返してもらったのは教室を半周してから。


私も都波も席に着くと、1人、2人とクラスメイトが入ってきた。


時計を見ると、教室に着いてから30分経っていたようで、30分も都波(後ろの席の人)と居たのだと実感して、自然とため息がこぼれた。