『――っ!』
突如浮かんだ母の顔に息が詰まる。
気が楽だったのに、今度は一気に重くなった。
どうしよう。たぶん怒られる。
そして、「寝てる暇があったら勉強して」って言うのだろう。
それに、母の機嫌は元通りなんだ。
起きないといけないのに、私の意思は固く、全力に否定しているみたいで、なかなか夢から出ようとしない。
それがなんだか嬉しくなった。
このまま覚めなければいい。ずっと眠ったままな方が怒られなくていいもしれない。
ううん。それだけじゃない。
現実をみなくて済むから。
夢の方が何倍も楽しめる。なんだってできる気がする。
怖かったら違うことを願って、すぐに楽しいことに変えてくれるはずだから。
お願いだから、まだ覚めないで私――……。



