朝になって自分に起きた出来事を栞那に告げようとしたけど、今日もバタバタと朝練へ向かっていく姿を部屋から見て、仕方なく思い部屋を出た。
まだどきどきしてる。
あの人は一体何しに来たのだろうか。
何を思って私を見ていたのか。
幽霊を私は初めから信じていたわけじゃないけど、もし、私が見た人がホンモノだったら……。
だめだ。怖すぎる。鳥肌が止まらない。
あぁ誰か私の話を聞いて。
この恐怖を消し去りたいから。
「……おはようござ、」
「おはよう、カスミちゃん」
『カスミ』
それは私の名前だ。
園田夏澄が私のフルネーム。
久しぶりに聞いた母の優しい声と私を呼ぶ声。
ほんの少し胸が熱くなった。
ただ単純に嬉しかったから。
今日1日そのままでいてくれたらいいんだけどな。
本音はこれが毎日続いてほしい。



