叫べ、叫べ、大きく叫べ!


学年が上がるにつれてこの能力?は増していった。人づてから俺の事を聞いたであろう上級生にまで非難を浴びせられる始末だ。


不幸中の幸いだけれど、こんな俺を怖がってか近付いてくる人もいなかったため、イジメというものはなかった。


けれど、友人1人もいない俺は心底学校というものがつまらなく感じて、よくサボることも多々あった。その時が1番気が休まっていたと思う。



そんなある日、親戚が家へやってきたんだ。


たまたま近くに来たから寄ってみたという理由で家に上がった叔母さんは昔から俺を蔑視する人だった。


だから俺を見るなり険しい顔をした。そして読み取ってしまった。叔母さんの心の声を。



『やっぱ不気味で怖いわ。最近休みがちだって聞いてたけど、本当に家にいるのね。お姉さんも苦労してて可哀想に』


“不気味で怖い”


こんな言葉はもう言われ慣れているけれど、母さんを同情する声が嫌に耳に残った。



苦労ってなんだ? 母さんが可哀想?
そんな風に見えているのは全て俺のせいってこと?



この時からかもしれない。家族とまともに話さなくなったのは。


その内に身についた全てをシャットダウンする技のお陰で自分を制御することができ、中高と進学していったわけだけど、逆に消耗しすぎたせいか幽体離脱する頻度が高くなっていった。


眠っている自分を見下ろしていたり、夢だと思いながら過ごしていたのにいつの間にかリビングに居たり、外から帰ってきたかのように玄関で倒れていたり……。


家族は俺を心配する割りには変に様子を見るようなことをしてくるのが嫌だった。


みんなして怯えた顔を向けてくる。訝しく、怪しげに、向けられる顔が心底気持ち悪かった。


誰も俺を心配してくれる人が居ないことを知った時、ふと心が軽くなった。



“死んだ方がマシかも”



そう思うようになったのは高1の梅雨時期だ。



高校生になって毎日のように通いだした屋上は俺にとって最高の居場所で、この日は湿度は高いもの天気は快晴だった。


いつも過ごしている屋上に1人の女子がやってきた。虚ろな目をした彼女は俺に気付くことなくある場所へと移動していった。


斜め左上から大きなため息が聞こえてきて、次第にすすり泣く声まで聞こえた。


ブツブツと言い放つ内容は聞こえないけれど、酷く傷付いていることは入ってきた瞬間の纏うオーラが物語っていた。