叫べ、叫べ、大きく叫べ!


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――……

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幼稚園児から小学生になった頃。


この頃から人の心の声や雰囲気――俗にいうオーラというものが鮮明に見て読み取れるようになってきた。


ある日、平然を装ったクラスメイトに「悲しいことでもあったの?」と率直にきいて、首を振るからその原因となる事柄を伝えると、俺を怖がって逃げてしまった。


ただ『大きな犬死んじゃったんだね。でもちゃんとその犬――リクくんそばにいるから元気だしなよ』と伝えただけなのに。


今思えば親しいわけでもない奴にクラスメイトの家事情を言い当てられ、さらには犬の名前まで言い当ててしまったのが、怖がられてしまう原因だったのだと思う。



さすがに当時の俺はそんな配慮すら微塵も感じていなかったんだろう。



当然、彼にとっての怖い出来事はクラス中に広まった。しまいには学年中にまで俺が“変な人”と広まり出してしまった。



クラス内はもちろん、すれ違う同級生や登下校中でさえ俺からみんな離れていく。


だけどその光景は不思議と嫌な感じはしなかった。むしろ『この方がラクだな』って感じていた。



ただ――



“声”が聞こえるまでは。




小1の夏休み明けた最初の登校日。


突然どこからともなく聞こえてきた囁くような、でもハッキリと内容が聞こえる声が、耳に飛び込んできた。



それは登校班の集団が近付くにつれて大きく鮮明に聞こえてきて。



『うわぁ、来たっ。目合わせないようにしなきゃ』

『きたきたっ怖いひと。サナちゃんも怖がってたし近くにいないほうがいいよね』

『一緒に行くなんて怖い』

『きもちわるい』


明らかにその声は同じ学年の人たちだった。その中の1人は同じクラスの女子。


真っ先に自分の耳を疑った。何かの間違いなんじゃないかって。だけど頭の中で色んな声がこだましている事が決め手だった。


教室にいても、校内どこへ行っても、色んな声が脳内に響いていた。


どれも俺を避難する声ばかり。吐き気が止まらなかった。



俺から離れていく人はみんなだだ『変な人』だからとか、『怖い』からだと。ただ“それだけ”だと思っていた。



けど、現実はそんな甘いものじゃなかったんだ。