叫べ、叫べ、大きく叫べ!


就寝前に向かい合って何かを話している父と母に「おやすみなさい」と声を掛けると同じように返され、自室へ。


今日は一緒に寝ると言い出した栞那は早速ベッドに潜り込んで私に手招きをする。


はいはいと呆れながら隣に潜り込むとぎゅぅと抱きつかれた。



「お母さん元気でよかったね」

「ね。喜んでくれたし。ちゃんと話せたし。あとはお母さんたち次第っていうか」

「お母さんのあの感じだと確率は低そうだよね。だってお父さん見てる目が全然違ったもん」

「わかる。私も初めて見たあんな優しく笑ってるお母さん。この感じがこれからずっと続いていくといいな……」


向き合っている栞那と目が合うと同意するように微笑んで頷いた。


さっき父と母は何かを話している最中だったけれど、きっと今後の話をしていたんだよね。今も。物音も話し声も聞こえないけれど、今までで一番穏やかな夫婦の時間なのだと感じる。



「今もまだ話し合っていると思う?」

「……話してるんじゃない? ちょっと明日が怖い気もする」

「……うん。お父さんちゃんと自分の意志伝えられているか心配。お願いだからお父さんの意志も聞いてあげてお母さんっ」

「分からないけど、多分いい方向へ行くよ。家族バラバラはごめんだし、栞那と離れるのもごめんだからね」


胸の中に埋めていた栞那の顔がバッと勢いよく上がって思わず声を漏らす。危なかった。下向いてたらアウトだった気がする。顎に頭が直撃は痛いもん。舌だって噛んじゃいそうだ。


嬉しそうに笑う栞那はそんなことお構いない様子で、「おねーちゃん大好きぃ」なんて更に抱きついてくる。


はあ……ほんと、私って妹に甘いんだよなぁ。可愛すぎるよ。ついこの間高校入学したばっかなのに栞那は栞那のままだ。


これが、私の可愛い妹なのだ。憎めなくて当然である。


はぁ、とため息を零すことしかできない私も栞那に覆い被さるように抱きついた。



「おやすみ」

「おやすみ〜」



――願わくば、これからはずっと園田家に笑顔溢れる日々が続くことを……。