叫べ、叫べ、大きく叫べ!


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バスに揺られながら私たちが向かうのは那覇空港。


今日は最終日。あっという間の3泊4日だった。さっきまで金城さんの家に居たのに時間てなんでこんなにも早いのだろう。楽しい時ほど早く感じるってなんだか人生をちゃんと楽しんでいるのか不安になる。


でも楽しい時間は手元のスマホ内にしっかり収まっているから私たちはしっかりと沖縄を堪能していた事実が残っているんだ。スマホって、カメラって凄いね。



「やだ〜まだ帰りたくない〜私ここに住むぅ〜」

「もーっアヤちゃんと歩いてよっ 私だってここに居たいんだからっ」

「じゃあ一緒に残ろ。一緒に暮らそ。もちろん香澄も! パラダイスだパラダイス!」

「西村、向こう着いたらパラダイスが待ってるぞ」


私たちを通り越した中嶋先生がこちらに顔を向けると真顔で言う。文香はキラキラした声で何が待っているのかを聞く。返ってきたのは納得してしまうパラダイスで少し期待してしまった私も落胆してしまった。

文香はべそかきながら憤慨していた。

皐月は参ったのか彼女を置いて私の元へ小走りに来て「もう知りません」とため息を着く。宥めるように肩を叩くと項垂れて「中嶋も発表の事をパラダイスって言うのおかしすぎるし!」とプンスコしだした。


2年生全員が集まり、先生らが点呼を取る。
搭乗し、沖縄を離れる瞬間を目にすればたくさんの思い出が溢れた。周りのみんなも悲しみを惜しむ声をあげている。


窓に張り付くように外を覗く文香にはさすがに笑ってしまった。


機内で再会した男子3人とは思い出を共有するみたいに写真を見せ合いながら楽しく話した。時々目が合う都波には気まずさを抱くけれど、彼が笑いかけてくるから私も合わせるように返す。


ふと機内を見渡した。居るわけがないと思いながら。だけど私は早く会いたくて堪らなかった。彼のクラスは前の方の座席。今の私なら歩いて探すこともできるけど、面と向かってただ会いたかったから来たなんて言いたくはないし。


せめてお手洗いがそっち側に有ったら少しは口実にはなったかもしれないのに……この近く――すぐ後ろにお手洗いがあるもんだから……今だけこの座席に不満を抱いた。