そんな小さな感情を跳ね除けてくれるような言葉をノートの片隅に書いてみた。なんとなく。
[たのしいね]と。
書いてみれば少しでも楽しくなるのかと思って。
「…………」
楽しくない。うん全然楽しくないや。やっぱり。書いただけだもん。
むしろ、なんの意味もない。
筆圧だって薄い。
ただ“書いてある”ってだけ。
そこにポツンと寂しそうに残ってるだけ。
……なんか、私みたい。
本音はたくさんあって言いたくて、でも感情は表に出せなくて、その存在すら見つけてもらえなくて、ただそこにいるだけ。
――なんか可哀想。
そう思ったときにはもう既に消した跡が残っていた。



