叫べ、叫べ、大きく叫べ!


「はーあっ ちょーっ疲れた!」


ばふんと敷かれてあるお布団に早速寝転ぶ文香。続けて私と皐月も倒れ込む。


ふかふかで目を閉じたら一瞬で眠りにつきそうだ。温泉も気持ちよかったし、何より夕食がとびきり美味しすぎた。初めてあんな肉汁が溢れるほどのお肉を食べた。それに賑やかな食事は久しぶりだった。


修学旅行なのだから大勢いて当然だ。
けれど、この光景を今までとは違う感覚で見ている私は胸が熱くなってしまった。


この感動を栞那に報告したいくらいだった。
でもそれは仲が良かったらの話。今の関係じゃ気軽にはできない。


今なにをしているのだろうなんて思わないようにしていたつもりだけど、ふと気を抜くと妹のことを思ってしまうのは“姉”という立場の本能なのだろうか。


……少しでも寂しいって思ってくれたらいいな。


それは無いかと鼻で笑っていて私の方が寂しくなってしまった。


それにしてもずっと友達がそばにいるって不思議な気持ち。そして楽しい。
カメラロールには今日の思い出がたくさんだ。どれもみんな笑っていて本当に楽しんでいるんだと実感する。



「ねえ見てみて〜」

「ぶふっ、なにこれあははは!」


明日の準備をしていると私と皐月の間にスマホが入ってきてそれを見た皐月は大爆笑。釣られて私も笑った。


そこには真田くんが泥まみれになっている姿があった。


文香曰く、洞窟内で足を踏み外して転んでしまったらしい。随分大胆に転んでしまったみたいだ。可哀想なことに顔面まで泥まみれ。


それにしても私はなんでこの場面を見ていなかったのだろう。


脳内でタイムリープする。


……あ。そうだ。都波に引き寄せられたんだ。そばで心配を伺う声がしていたのは覚えてる。


その時の彼の表情がちょっと気になったけど、今わかった。


彼は気付いていたんだ。そこがぬかるんでいることを。だけどちょっと真田くんには申し訳なかったかな。都波が引き寄せていなかったら私が泥まみれになっていたかもしれない。


……真田くん、代わりに泥まみれになってくれてありがとう。