湿度の高い空気と風、そして潮の香りに感動を覚える。
目の前に広がるは間隔的に植えられたヤシの木とどこまでも続く長い道路。そして白い雲が多い広い空。
〝めんそーれおきなわ〟
この横断幕に胸が踊る。
今日から3泊4日の修学旅行。
待ちに待った沖縄県を只今絶賛堪能中です。
2年生は学校行事が詰め詰めなため休む暇がほとんどない。文化祭なんて昨日終わったばかりのように錯覚させられる。もう1ヶ月は経っているというのに。
初めての飛行機に緊張しかしていなかった私だけれど飛んでしまえばそんなものは一瞬にして歓楽に変わって今に至る。
まだふわふわしている身体で私たちがまず向かった先はお土産屋さん。
先に名産物を購入し、自宅へ発送するとしおりに書いてあった。
最終日にも国際通りを満喫する予定になっているけど、これとはまた別らしい。
確かに大きな荷物が減るのは嬉しいのでこの手は名案だと思う。だから思う存分沖縄を堪能してやろうという広大な欲望が湧いてくる。
――……残念ながら修学旅行とはいえ、“学習”の一環であることを忘れてはならない。
「あ゙ー帰りたくないっ。帰ったら発表とかふざけてるでしょ」
「あはは、ふざけてはないと思うけどやりたくないのは分かる」
カゴにたくさんのお土産の類を入れながら文香も皐月も同じことを思い口にしていた。
会計を済ませ大きな荷物をトラックに引渡し、バスに戻ると先に男子達――都波、真田くん、糸口くんが後部座席にいた。手を振る都波に近づいてそれぞれ席に着く。
何故か私は都波の隣だ。
「みんな早くない?ちゃんとお土産買った?」
「買った。てかそんな時間かかるもん?俺ら結構早く抜けたよ、な?」
「うん」
「俺は姉貴から指定されたもん買っただけだから迷うことなく」
「え、勿体ない。何しに来たのあんた達。沖縄だよ?滅多に来れないんだから丸ごと持ち帰りする気じゃないと!」
座席上部から顔を出し、バカだなーあんた達と呆れたように笑う文香に男子たちは声を揃えて「遊びで来てないし」と断言した。後ろにいる真田くん糸口くんもきっと都波と同じ顔をしているだろうなとその声音で想像できる。
この男子たちは意外と根は真面目なんだなと改めて痛感する。
ご最もと私と皐月は続けて頷くと彼女は「裏切り者〜」と潤んだ瞳を向けてきた。
出発しだしたバスはこれから私たちを沖縄の歴史を学ぶ場所へ運んでいく。
車内は蒸し暑かった。窓を少し開けると程よい風が肌を撫でて心地がよかった。



