やっと受付が見えてきた時後ろから聞き覚えのある声が私を呼んだ。
振り向くまもなく抱きついてきた人物を睨む。そして抱きつく手を離してと叩く。
それでも得意気に笑う都波はいっこうに離してくれなかった。
この人はなんで恥ずかしげもなく大胆なんだ。羞恥心という概念はないのか。私は非常に恥ずかしいし注目されたくないのに。
すぐそばでは文香と皐月が彼を冷ややかな目で見上げて、口を揃えて離れるよう促してくれているけれど軽くあしらわれてしまった。
「カレー食べるの?俺もそうしよっ」
「ちょっと!いい加減夏澄から離れなさいよ」
「なんでよ。てか俺ら置いていくのどうかと思うんですけど」
「なんで待たなきゃいけないのさ。約束なんてしてないし、そもそも男子の方交代時間なのに出来てなかったじゃん。それにふたりは?一緒じゃないの」
「あー……夏澄ちゃんに会いたすぎて俺一人でここに来たから後から来ると思――うぐっ」
苦しげに私から身を引いた彼を追うように振り向くと、首の根っこを摘まれた都波とそうした真田くんと糸口くんが立っていた。
「ほんと俺ら置いていくとか酷いわ。そして園田さんから離れろ」
ひっつきすぎだと私から遠ざけるように都波を壁側に追いやった真田くんは私の隣に来て、ごめんと呆れたように笑った。
続いて口を開いたのは糸口くん。
「雅よく分かったな。園田さんがここにいるって」
「確かにー。あ、変なこと言わないでね?言ったら絶対引いてあげるから」
「は、何言ってんの。夏澄ちゃんがいる場所に俺ありなんだから当然でしょ」
「うっわーまじきもい。雅ってこんな気持ち悪かったっけ。夏澄まじで気を付けなよ?てか何もされてない?大丈夫?」
文香に体を揺さぶられる私は聞いていて恥ずかしくなってしまった。
多分私の顔思っている以上に火照ってる。あつい。
目の前の文香の顔がすごい形相をしたのを見逃さなかった。
都波の顔なんて見たらもっと怪しく思われる。それに彼の顔を見なくてもわかる。私の反応をみて楽しんでいるように笑っているはずだから。



