叫べ、叫べ、大きく叫べ!


家の中は相変わらず暗いけど、出ていく前より明るく見えるのは自分の心が穏やかだからなのか、はたまたリビングの方が明るいからなのか……どちらにせよ霧が晴れたような気持ちなのは確かだ。


かなり遅めの夕食をして入浴後、私は自室でみんなとの思い出を共有していた。


電源を入れるとたくさんの通知があって、アプリを開くと《すまいる》の通知数は30を超えていてメッセージと沢山の写真――わたあめ、焼きそば、お好み焼き、フランクフルト、りんご飴いちご飴……そして、盛大な花火が一枚一枚思い出を切り取ったかのようにずらりとトーク画面を埋めつくしていた。


みんなのやさしい反応に心が温かくなる。
都波の言葉を思い出してさらに噛み締めて、一言だけ想いを送る。



――ありがとう。



それからトーク一覧にポツンと新たに追加された名前に笑みがこぼれる。
開くと写真が大きく貼ってあった。
中央に繋がれたふたつの手、その後ろに大きな火花が咲いている。
でも、少しブレている。明らかに私が撮ったものじゃない。


なぜこれなんだと不服に思ったけれど、何となくこれを選んだ理由は想像つくなって思ってしまった。千木良くんの事だ。


“こっちの方が味があっていいじゃん”


そう思いながら送ったんだろう。
ま、私の勝手な思い込みに過ぎないかもしれないけど。


確かにブレているけれどとても素敵な一枚だと思う。
鮮明に覚えているのはリアルで見た景色で充分なのかもしれない。でも時が経てば薄れていくのは当然。だからこの下手な撮り方がその日の出来事を思い出させてくれるのだろう。


きっといつかこの日が記憶から薄れていったとしても一目見れば思い出が溢れるはず。


ベッドに身を沈ませながら端末に保存した思い出たちを眺めては頬が緩んでいく。
いつの間にか眠りに落ちていた私はきっと緩んだ頬のままだ。