ファミレスを出た途端、夏特有の熱気が触れてせっかく丁度よく冷えた体は徐々に汗ばんできた。
代謝がいいのか分からないけれど私は意外と汗っかきなようで、うなじからツーっと垂れた感覚に『早速か』とため息をこぼす。
それにしても、驚いた。
もう夏休みが明けるまで会うことはないだろうと思っていた人物にまさか会えると思わなかったから。
目にかかるくらいには伸びた前髪から私を見たその深い瞳をまた思い出して胸が驚く。
制服でも部屋着でもない、また違う彼の格好にドキドキしてしまっている自分がおかしくて。
深く息を吸い込んだ。
「あ、そうだ!今度の土曜日?日曜日?だっけ、あ21日!みんな空いてたりしない?」
だらだらと歩いて信号機が赤に切り替わった途端に、突然後ろから声がして振り向けば、都波はスマホを手にして、ほれと画面を見せてきた。
そこには綺麗な夜景と大きな花火が上がったポスター。
見た瞬間嫌な予感は的中してしまい。
「みんなで一緒に行かない?」
そんな笑顔をよそに、私たち3人は顔を寄せ合った。
『どうする』と目だけの会話が始まった。
不思議だ。
目で会話だなんて。
こんなこと妹としか通じないと思っていたけど。
首を振ったり、瞬きをしたり。
身振り手振りが少なくても会話が成り立っていることに驚きよりも嬉しさが込み上げてくる。



