理想の人は明日から……

 寝室の中に入ると、副社長は机の引き出しから何かを出した。


「南楓さん…… 俺と結婚して下さい」


 副社長は、小さな箱に入った指輪を両手で差し出して頭を下げた。


「ええ?」


「もう、問題は無いはずだ…… これからは、毎晩一緒に寝よう…… やっと、言えた……」


 副社長の泣きそうな私を見る目に……


 私は、指輪を受け取ると、そのまま副社長に抱きついた。


「私も、一人で寝るの嫌…… ここに居たかった……  大好き……」


 副社長は、ぎゅぅーっと私を抱きしめた……



「あのさぁ。俺もう限界…… ただ一緒に寝るの……」


「えっ…… 胸触ったじゃん」


 副社長の手は、私の頭をぎゅっと押さえると、唇を塞いだ……


「触わっただけじゃん……」


 そう言うと、副社長の唇は深くかさなり、私の力は抜けていった……


 副社長は、私のパジャマのボタンを外しながら、ベッドへと崩れていく……



 「楓……」


 大切に…… 優しく……


 副社長の唇が、首筋へと降りてきた……



「達哉さん……」


 私は、副社長の背中に手をまわした……