理想の人は明日から……

 営業部のオフィスにも、新しい部長が異動してきて、活気良く仕事がなされているのだが……


 部長のだらけた姿も無くなり、やさしくフォローしてくれる篠田さんの姿も無くなった。

 淋しい…… 


 副社長、ちゃんとやっているのかな?




 マンションの自分の部屋でミッキーのぬいぐるみを抱きしめ、ベッドに潜るがやはり眠れない……


 明日は、ここを出ていかなければならないのに……


 さすがに、副社長もノックをしてくれない……

 
 私は、枕を抱えると副社長の寝室へ向かった。


 しかし、寝室のドアをノックする事が出来ず、私はドアの横に、枕と膝を抱えて座った。


 涙がポロポロ落ちてくる……


 どうしよう……


 どうして……


 副社長と居たいよ……



 すると突然、寝室のドアが開いた。



「南……」