「……う、た?」
「そう、歌だ。」
月花は驚いた。歌をつくるということにも驚いたが、それ以上に響也がこんなにも真剣な顔をしているのをはじめて見たからだ。
「…ごめん、いきなりこんなこと言って。でも本気なんだ。人を幸せにするような歌、つくってくれないか?」
月花は混乱していた。たった今小学校を卒業してきた自分になにができるのかわからない。しかし、月花はすぐに答えを決めた。
「…私に出来るなら…やってみる!」
この一言から船越兄妹の音楽活動がはじまった。