一途な御曹司は、ウブなお見合い相手を新妻にしたい

「あっ、そういえば亜優は元気かな？　海斗、毎日連絡取り合っているんでしょ？　冬休みにはこっち戻ってくるの？」


話題を変えようと亜優の話を持ち出すと、海斗は口元を緩めた。


「おう、毎日電話しているよ。亜優は元気にやっているし、冬休みにはもちろん帰ってくるから、美弥とも会いたいって言っていたぞ」

「……そっか」


この前亜優と会ったのは、八月。地方の大学に進学したため、大型連休の間しか会えない。


しかし海斗と亜優、毎日電話でやり取りしているなんて。付き合って三年にもなるのに、相変わらずラブラブなようだ。


「それより美弥、お前最近、亜優と連絡取ってないだろ？　亜優、寂しがっていたぞ。美弥からのラインがないって」

「え？」

そういえば私……最後に亜優と連絡を取ったのいつだったっけ？

それまでは最低でも週に一度は連絡取り合っていたのに。


「美弥、忙しいのかもしれないから自分からは連絡できないって亜優、いつも気遣っていて、俺に様子を聞いてくるぞ」

「ごめん」

亜優は自分からは用がない限り、連絡してこない。仕事している私を気遣ってだ。