一途な御曹司は、ウブなお見合い相手を新妻にしたい

両手拳を握り締めひとりやる気のお父さんを尻目に、今日、わざわざ訪ねてきてもらってしまったお礼も兼ねてのラインメッセージを彼に送信した。


* * *


そんなわけで今日を迎えたわけだ。

お父さんはひとり空回りしている感が否めない。


でも、今日の服装はショップの店員さんに見立ててもらったものだから、間違いないと思う。試着したとき、お父さんも太鼓判を押してくれたし。


デートの定番、膝下の紺色のフレアスカートと淡いピンク色のカットソー。上にはトレンチコートを羽織っていく予定。

ヒールのないミュールと、スパンコールがさり気なくあしらわれた黒のバッグ。

今からデートに出掛けることは一目瞭然といったコーディネートだ。

「美弥、時間は大丈夫か? 確か九時に家の前まで迎えに来てくれるんだよな?」

「うん、そうだけどまだ八時半だから。あと三十分あるし、まだ来ないよ」

十分前に外に出ればいいよね。

なのにお父さんは心配なのか、ソワソワして落ち着かない様子。